永く個別指導塾を経営していると、過去にADHD(注意欠陥・多動性障害)の兆候があるお子様を預かり指導することもありました。
保護者の方からは、子供の挙動が気になってお医者さんに連れて行くと、発達障害ADHDがあると診断され、だから勉強が苦手なんだと聞かせくれます。
確かに何等かの先天的な原因で、明らかにそうだという子もいるでしょう。
でも、どこからが発達障害に属するか、線引きするのは非常に難しい話しだと思います。
私(塾長)の経験からくる全く私見ですが、ADHDだと診断されたからと言って、勉強ができないとは決して言いきれません。
現に、私が指導したADHDで診断された子が、中堅の普通科高校に受験合格し、元気に頑張っています。
確かにその子は、日頃の挙動に関しては他の子と違うところもありましたし、勉強に関しては難しい問題を解いたり、暗記が得意というわけではありませんでした。
でも、私から見れば、ADHDだからではなく、むしろ誰しもが持つ個性(性格・特性)の範疇に入るもののように思えてなりません。
だって、個性のきつい子が[天然だ]とか言われたり、ただ勉強をせずテストの点数がもっと悪い子もたくさんいますし。
だから何となく子供のことが気になって、医者にADHD診断テストをしてもらい、結果そう診断されたとしても、そうだったのかと額面通り受け入れてしまうことには、ちょっと待った!と声を大にして言いたい。
はたして本当にそうなのかと。
というのも、ADHDが疑われる診断された小学生を指導したことがありました。
入塾当初は、授業中に歩きまわったりとかでは全くありませんでしたが、ADHDの特徴とも言える集中力が続かなく、隣りが気になり落ちつかない状態でした。
そんな状態では、テストが点数がいいわけがありません。
でもお母さんに聞くと、この子が好きなことをしている時は、すごく集中力を発揮し、ずっと楽しんでいるというのです。
そこで私がその子を見ていて、すごく気になったことをひとつひとつ注意し言い聞かせ、少しずつ改善すること進めていきました。
それは、ADHDだからとかではなく、どこの子にも注意することです。
例えば勉強する姿勢で、椅子にはまっすぐ座ろうとか、鉛筆を持たない手はノートを押さえておこうとか、背筋は立てて腰は折らず背もたれを使わないとか・・・。
集中力に関しては、その子のレベルに合わせた問題を準備し考え込ませることは防いだり(眠くなるだけ)、問題は解く量を決めて終わるまでは気持ちを途切れさせないように努力させたり・・・。
これらは、勉強を教える以前に、勉強の仕方を教えることに当てはまります。
だって、当然のことができてないまま、ずっと当人とってはそれが当たり前になってしまっていたのですから。
しばらくそんな指導を続けていると、本人もどうあるべきか意識し始め、勉強に身を入れることを身体で覚えていきました。
このように例えADHDだと診断されても、それとどう向き合い対応し、付き合っていくかが、その子の未来の人生にとって非常に重要なことだと思います。
(写真と内容とは一切関係性はありません)
2022年05月30日 11:08