《割合の問題》ホントは難しくない!【後編】
学校では割合の計算として、
①《もとになる量》×《割合》=《比べる量》
②《比べる量》÷《割合》= 《もとになる量》
だと教わります。
これを『くもわの法則』なんて言ったりしますね。
前回の例に当てはめると、10個《元になる量》のみかんのうち、3個《比べる量》が腐っていたときの割合が、0.3でしたので、
①なら『10× 0.3 = 3』、②『3÷ 0.3 = 10』となります。
でも、これら①と②がごっちゃになってしまって、ややこしい、分からない、難しいと子供たちみんな言うわけです。
じゃあ、公式『くもわの法則』で覚えましょうなんていうから、ますます訳が分からなくなっちゃうのです。
本当に必要なのは、前回でお話ししたような、「《割合》とはそもそもどういったことなのか?」というようなことをちゃんと知ることなんですが。
ですので、それら①《比べる量》と②《もとになる量》を算出する公式のそもそもを知れば、まったく大丈夫!。
では、先に確かめておきたいこととして
『100円の2倍は?』と問われれば、200円と答えますよね。
計算式は、100×2=200 です。
なんてことはない問題で、これだとみんなサッと答えてくれます。
実はこれ、2倍すること自体が《割合》のことなんですよ。
①の公式と同じでしょ!
この倍することを《割合》と呼び、つまり100円《もとになる量》×2倍《割合》
この結果を200円を《比べる量》なんて言い方をしているだけなのです。
100《もとになる量》×2《割合》=200《比べる量》
次に、《もとにする量》100円を出したいのであれば、2を掛けた結果が200円になっているわけですから、その答え200円を逆に遡って2で割ってあげれば、100円《もとになる量》になりますよね。
2000《比べる量》÷2《割合》=1000《もとになる量》
これって、②の公式とぴったりですね。
やっていること自体はこれ!、小学生2年生で習うかけ算と、3年生で習う割り算です。
易しいわけですね。
これがそもそもの大元(おおもと)にあることをちゃんと意思していれば、高学年で習う《割合の計算》もへっちゃら、何も恐れることはありません。
全く同じことなのですから。
2倍でも、半分でも同じこと!
例えば、100円の半分なら、50円。
100《もとになる量》×半分(0.5、1/2)《割合》=50《比べる量》
100《もとになる量》が不明なら つまり □×0.5=50ですから、50÷0.5=100とちゃんと元に戻るでしょ。
《割合》部分が[整数]であったのが、[小数]だったり[分数]だったりしているだけのこと。
これこそが、ややこしい時こそ知っておきたい、実はどってことのない理屈なのです。
大切なことは、数字に惑わされないこと。
もう一度言いますが、《割合》の部分が、小学生高学年では[小数]になったり、中学生では[分数]になったりするだけです。
さらに補足すれば、百分率(パーセント)が出来ても、これって、割合を分かりやすく100倍して言ってるだけのこと。
先の例の半分(0.5)を、50%と呼んでいるだけで、やることは全く同じです。
もとを辿れば、小学生低学年。
ですので、ややこしいなと思った時は、自分でカンタンに数字(整数)に置き直して考えてみれば、分かりやすくなるはずです。
そうすれば、《くもわの法則》なんて全く必要なくなります。
どうでしたか?
算数の面白さ、数字の面白さとは、公式を覚えることからではなく、こういったことを【なるほどな!】と知ることから始まるのだと思います。
2023年05月02日 11:59