小学生、高学年になってくると、個々の算数の学力差が顕著になってきます。
お子さまの学校のテスト、気になるような点数を取り出したら、一度この診断法を試してみてください。
目的は、計算ができるかではなく、考えて解く「算数脳」が養われているかを問うためのものです。
子供への問いかけ
質問①:2人で合わせて200円、持ってるよ。じゃあ、一人だといくら?
もちろん答えは、「100円」です。
ビックリするでしょうが、何も考えていない子は、ここで「合わせて」と言っているので、「202円」と応えたりもします。
もしこの段階で間違えたなら、早急に対処した方がよろしいでしょう。
質問②:じゃあ、どうやってその答えを出したの、式を教えて?
正解として、「200÷2は100だから」と応えたなら問題無し、合格(*ここで診断テスト終了ですが、念のため質問④へ)です。
でも、「100×2は200だから」と応えたらなら、ちょっとしたら、算数つまずいてきてるかもしれませんので、質問を続けてください。
質問③:答えが100なのだから、答えが100となる式を教えて?
と聞かれて答えられないのなら、今後ますます算数のテストの点数が下がってくる可能性大です。
理由は、理屈抜きに感覚的に計算してしまっているからで、簡単な計算なら答えを先に想像もでき、対応できているだけです。
はたしてそうなのか、試しに質問を続けてください。
質問④:20歩で14m進んだとすると、1歩だと何メートル?。答えはいいから式を教えて?
正解は「14 ÷ 20」。
さらにその理由は?と聞いて、「だって、20歩だから」と応えられればなおよし、問題無し合格(*診断テスト終了)です。
明確な理由(答え)になっていないようですが、それでも結構、答えが小数になることをも想定して、ちゃんと算数で必要な理屈で理解できていますね。
でダメな答えパターンが「20 ÷ 14」で、割るのはなんとなく分かっているのですが、なんとなく故に「割られる数の方が大きいだろう」という思い込みがあるからです。
でも、割り算だと分かっているだけもまだましで、「20 × 14」と応えてしまう子もいます。
これだともう、算数が分からなくなってしまっている証拠ですので、即対応が必要でしょう。
「20÷14」と答えた子には質問を続けてください。
質問⑤:20歩で10m進んだとすると、1歩だと何メートル?。なんなら答えはいいから式だけでもいいよ。
もし「2m」と応えたなら、やはり算数が分からなくなってきていますね。
多かれ少なかれ感覚だよりの算数になってしまっているので、そもそも数えるの方法の大事なひとつとしての割り算を理解できていません。
ですので、割り算の筆算ならできたりします。
算数ができているのようで、その実できていない。
今すぐではなくても、今後なんらかの対応が必要がなってくるでしょう。
ちなみに正解は「0.5m」もしくは「10÷20」ですね。
どうでしたか?。
なぜこのような理解度の格差が起こってくるのか、そもそも算数とは何のかということを全く意識していない(させていない)のが原因ですね。
算数とは、「数を数えること」であり、その方法(理屈・考え方)を学ぶことです。
九九ができるとか、筆算ができるとかは、あくまで手段にすぎません。
当たり前のことのようですが、そこがすごく重要だと私は考えています。
だって実際に上記のような問題(学力格差)が起こってきているのですから。
小学低学年から、九九や筆算なり数える手法を繰り返し演習することで習得するよう指導を受けます。
でももっともっと十二分に、その四則(+-×÷)の使い方(場面・理屈)を子供たちに理解させてやる必要性を、私はすごく感じています。
ただ機械的に計算するだけことが算数だと思い込んで、そのまま高学年になるとどうなるかと言えば、
例えば、「1.5 +3 は何 ?」という質問に、「1.8」と答えてしまったりします。
これも、筆算はできるけれど、そもそもの数を数えてるという意識が低い証拠ですね。
小学生のうちに、四則(+-×÷)の理屈を身につけ、使う場面をしっかり理解し、その意識習慣付けをすることが、算数を学ぶ上で最も大切なことです。
これさえできていれば、小学6年で中学受験するような実力がなくとも、中学校・高校でもぐんぐん数学の成績は伸びていくはずのです。
2022年11月07日 15:33