やる気はあるのに、成績が伸ない。そんな子供たちは、≪やる気≫とは何なのかを全く誤解しています。彼らの≪やる気≫とは、塾に通えばよい、机の前に座ればいい。間違った認識ですね。だから、難しい問題に突き当たると、すぐわからないと言う。おちつきもありません。彼らは、考えるとはどういうことなのか、集中するとはどういうことなのか、理解していないのです。だって言われてとおり、真面目に≪やる気≫を出して、やっているわけですから。つまり、彼らにとってのやる気とは、分からない・知らない問題に突き当たるまでにあって、その先にはないのです。まさかと思いますが、そんなもんですよ。頭を使う(考える)前に、『先生、わかりません』ってよくいう子いるでしょ。それです。
そして、『ちょっとやる気を出して、考えなさい』というと、やる気の本当の意味が分からないから、当然じっと黙ってしまいます。これって残念ですが、彼らばかりのせいでなく、周りの大人がその真相に気づいてやれなかったことにも大きな一因がありますよね。小学生の低学年のような早い時期ならまだいいですけど、中学生にもなるとその悪習【間違ったやる気】が完全に身についちゃっていますから、【本当のやる気】とはどういうことなのかを口頭で説明してやっても、なかなか理解してもらえません。それを理解させるためには、日々の塾での学習の中で、≪やる気≫とは何なのか体験させ、「これがやる気なんだよ」と指摘し、意識させてやるしかありません。勉強を教えることが塾指導ですが、こういった勉強の仕方もを教えてやることが個別指導に求められていることだと思っています。
私の塾の壁には、こんなスローガンが大きく掲げられています。『わからないという前に、もう一度よく考えよう!』 。≪やる気≫とは、まさに考えること、覚えようとすること。知らない問題・分からない問題に出くわす時から、≪やる気≫が始まります。自分で辞書を引く例題を見るなど、「先生、わかりません」と言う前に、自分でできることってありますよ。今自分は何をしたらよいか、考えることこそが、やる気であって、勉強ですよね。「先生、わかりませ~ん」がホントのやる気スタートなのです。それを日々の塾学習の中で、身を持って分からせてやらないといけません。勉強できる子に方程式を教えてやることはホントたやすいことですが、≪やる気≫を教えてやることって、ほんと一筋縄ではいきませんよね。でも、自分で解ける・できる体験を積ませていくうちに、クセで「先生、わかりません」と言った時、私が睨(にら)みつけるやると、その子は苦笑して「自分でね」なんて言いながら≪やる気≫をみせてくれますよね。
2017年07月20日 18:05