算数の文章題が苦手な根本的理由!
小学生4年生以降になってくると、単なる計算問題は減り、四則を使った文章問題が多くなってきます。するとそれに伴い、それまでは算数が得意だったのに、苦手になってしまう子も増えてきます。
それがきっかけで、塾に子供を通わせる方が多いです。
保護者の方からよく耳にするのが・・・
「ウチの子は算数の文章問題が苦手みたいで、国語力がない」と仰います。
でも、実のところはそうではありません。
私がこれまで見てきた文章題の苦手な子の大半は、決して国語力(読み解く力)がないわけではありません。
単に算数の勉強として、機械的に計算問題しかしてこなかっただけで、その割に文章題を解くようなことをさほどしなかっただけなのです。
もちろん文章題の勉強もしたでしょうが、、足し算の計算問題の最後にちょこっと付録的にしただけのこと。
足し算の計算問題の最後の文章題は当然足し算であって、考える必要なんてありません。
引き算・かけ算、割り算であっても同じことです。
なぜその四則を使うのか、深く考えるような指導に時間を割くようなことはしてこなかったわけですから、算数(文章題)が苦手になってくるのも当然の結果ですよね。
実際に、小学生のうちの算数の文章題なんて、大して国語力(読解力)が必要とされるようなものなどありません。
必要なのは、ちょっとした【想像力】だけです。
ほんとそれだけです。
でも残念なことに、それさえもできていません。
というよりも、《ちょっとした文章に想像力を働かせることがすごく大切だ》とはいうことを、くどくしっかりと教わっていないのが大問題だと思います。
だから、ちょっとしたことなのに、カンタンな絵図を書いて考えてみたりすることが苦手な子が多いですよね。
では、具体的な文章題の例を挙げてみましょう。
①6こ減って、30コになりました。いくつありましたか?
答えは、30+6 で36こですが、30ー6 で24コと誤答する子もいます。
間違った理由は、問題に「減る」と書いてあるから、引き算を使ってしまうからです。
②10コずつ5人で分けました。いくつありましたか?
答えは、10×5で50コですが、10÷2で5コと誤答する子もまたいます。
間違った理由は、問題に「分ける」と書いてあるから、割り算にしてしまったんですね。
これって、国語力(読解力)というよりも、ちゃんと考えるクセ付けができているかどうかだけのこと。
このちょっとしたクセ付けがすごく重要で、のちのちの高学年・中学になった時の成績(学力)に大きな影響を及ぼしてしまうのです。
ウチのコはそこまでは・・・なんてというかもしれません。
じゃあ、この文章題を解かせてみてください。
③1mの値段が200円の布があります。では、2mでは?
答えは400円ですが、100円という答えなら全く考えていない証拠ですね。
これは正解して当然だとして、これならどうですか?
④1mの値段が350円の布があります。では、2mでは?
答えは、350×2で、700円。
⑤1mの値段が200円の布があります。では、2.5mでは?
答えは、200×2.5で、500円。
③ならできても、④や⑤の問題はできない子が多数います。
これは、③の問題をちゃんと理解できていない証拠です。
小学校のうちから、ちょっとした考える力・想像するクセを養ってやることがほんと大切なのが分かってもらえたでしょうか。
子供にとっては習うことはいっしょであっても、指導者にとっては何をほんとに教えてやるかってすごく大切ですよね。
2025年07月08日 16:11