小学算数《文章問題解けない》の始まり! 2/2
前回【ちがい】(加減)についてお話ししましたが、同じく《かけ算》もまた小学2年生にとって重要です。
懐かしい《九九の暗唱》ですね。
でもそれ以上に大切なこと、しっかり認識しておくべきことが実はあります。
そこで・・・
例題:りんご3個お皿にのっています。では5皿だと、全部でりんごはいくつになりますか?
もちろん答えは《かけ算》、3×5で15個です。
(余談:文章の内容を意識しないと、全部と書いてあるから、3+5=8個と答えてしまう子もいます)
九九を学んでいるところだと、ほぼほぼみんなさっと九九で三五15と正解です。
しかしこれをカンタンだと軽視し侮っていると、小学3年になってからの《割り算》の文章問題でつまずいちゃいます。
九九はできて当然、では【なぜ、この例題でかけ算を使うのでしょうか?】
文章題の苦手な子は、「かけ算を習っているから」と応えます。
それでは九九ができるからといって、《かけ算》をちゃんと理解できているとは到底言えませんよね。
ほんとに重要なのは、なぜ《かけ算》なのか、それを知らないと《かけ算》を使いこなせるわけがありません。
私(塾長)の塾では、かけ算を初めて学習するときは、「同じ数を何度も足すの面倒だから、かけ算を使うんだ」ということを徹底して意識させるようにしています。
実はこの意識付けことこそが、九九をすらすら暗唱できるかどうかと同じくらい、いやそれ以上に大切だと思っています。
りんごが2皿なら、3個と3個で、つまり3+3で6個でも全く構いません。別に3×2を使わなくてもいいわけです。
3個と3個と3個と3個と3個。3個を5回も足すが面倒だから、『3個が5皿分で』3×5、三五15個なのです。
さらにもっと掘り下げて、『3個が5皿分』のことを『3の5倍』というんだよとしっかり教え込むようにしています。
文章(問題)をよく意識・理解し、かけ算の理屈をちゃんと知った上で、『3の5倍』⇒『3×5』であって、同じ答えであっても『5×3』では意味が違うことを認知できるのです。
これらを着実に学習できていると、3年生で《割り算》を初めて学習した時でも、しっかりと積み上がり、文章題もこなせるようになるのです。
そこで・・・
例題1:20個の5倍すると?。答えは当然、20×5で100です。
例題2:では5倍すると20になる数は?。答えは、20÷5で4です。だって、20個を等しく5等分するから《割り算》なわけですから。
でも、2年生でちゃんと《かけ算の仕組み》を理解できていないと、20×5と間違ってしまうのです。
間違った子供に理由を聞くと、「5倍と書いてあるから」というわけですね。
かけ算やら割り算やら。
《文章の中身の意識》と《乗除の仕組み》、2重の意味でもうごっちゃになり、文章問題が分からなくなっています。
前回より、文章題が苦手になるかどうかは、2年生から始まっていると言いました。
が実は各学年で、新出の単元ごとに、計算方法と並行して、学ぶべき思考の仕方というものが毎回あります。
まず文章の中身を意識し、そして思考の仕方を意識できているかが、文章題の理解へと繋がってくるのです。
新しいことを学ぶ時には、なぜその四則(加減乗除)の計算式になるのかを知ろうとする行為こそが、文章題を解く第一歩。
小学低学年のうちから、基礎となる四則の意味をしっかり理解しておくことが最も大切なことと言えるでしょう。
計算の繰り返し演習だけでは、文章題が苦手になってしまうのも頷けてもらえたのではないでしょうか。
2024年01月07日 18:16