小学算数《文章問題解けない》の始まり! 1/2
それはいつごろから始まっているかというと、小学2年生の頃からだと思います。
「でも、その頃は算数テストの点数は取れていたよ」というかもしれません。
具体的な始まりは、【ちがい】の学習を始めた時です。
例題:女の子が18人います。男の子は女の子より3人少ないそうです。
では男の子の人数は、何人でしょうか?
もちろん答えは、18-3で、15人ですね。
でも実は、ここが別れ道。
なぜ、そんな式になるのでしょうか?
ここがすごく肝心で、むしろこの理由こそがしっかり納得いくまで頭に擦り込むように学んでおくべき所です。
計算の仕方うんぬんよりも、問題の文章内容を頭の中でしっかり消化し、数字に落とし込むと作業の大切さ、
解けるかどうかよりもその思考作業が文章を読みながら自然とまず行えるように習慣づけることの重要さとも言えましょう。
理由はもちろん男の子の方が3人少ないからですが、文章問題が苦手になる子はこの段階で、その理由と考えることの大切さ、2重の意味でしっかり教えてもらえていません。
だから苦手な子にその引き算になる理由を聞くと、「少ない」と書いているからとか、まだマシなのでは「ちがいを求めるから」とか、最悪では「引き算の勉強しているから」とか平気で答えます。
彼らにしてみれば、そう教えてもらっているからであって、至って真面目な答えです。
でも、初めての形で思考することを求めらえる文章問題ですので、どの答えも不十分、結果としてその先の突っ込んだところまで教えてもらい切れていないのです。
ですので、初歩の【ちがい】の学習をしているこの段階では、概ねみんな引き算を使いますから、正解になってしまいますが、
実は一人ひとりの理解度という観点から見れば、まちまちであって差が生じ、苦手のスタートが潜在しているのです。
私(塾長)がこのような文章題を指導する時には、子供ひとりひとりに、下記のようにくどいくらい何回も問い正すようにしています。
問(私):どちらが少ないの? ・・・答え(子供):男の子。
問(私):じゃあ、どちらか多いの?・・・答え(子供):女の子。
私はこの際に、その子供を見ながら、ちゃんと頭の中で様子を想像(思考する作業が)できているか、うかがうようにしています。
(思考する作業 ⇒文章問題の様子を思い浮かべ、絵や図に落とし替え、理解納得する作業)
ここをしっかり指導してあげておくことで、下記のような問題でも間違わなくなってきます。
例題:女の子が18人います。女の子は男の子より3人少ないそうです。
では男の子は、何人いるでしょうか?
答えは、同じ【ちがい】の問題であっても、18+3で、21人。
「少ない」と書いてあっても、中身は女の子の方が3人多く、足し算になることもから。
ひっかけ問題でもなんでもありません。
【ちがいの問題】=【引き算の問題】という認識させることがそもそもの間違いであって、頭でちょっと想像してみればなんなく解ける問題です。
なんてことはない思考する作業を当然のようにすることこそがが重要となってくるのです。
答えが正解かどうか(計算ができるかどうか)よりも、このなかなか見えてこない「子供が中身をしっかり意識できているかどうか」を計ってやることこそ、その先にある文章問題が苦手になるかどうか別れ道となるんですね。
これは小学2年生が始まりと言いましたが、どの学年であっても言えることです。
~《次回に続く》~
2023年12月29日 19:51